魔法使いの嫁

2017年 WIT STUDIO制作 監督:長沼範裕
★★★★★ ★★☆☆☆

生来の人ならぬ者の声が聞こえ、また見えるチセは、それが原因となって一家離散、母にも殺されかけるという過去を負っている。人生に絶望した彼女は人身売買組織に自らを売り、人に焦がれつつ人嫌いである精霊エリアス・エインズワースに購入される。
エリアスより妻であり弟子とされた彼女は、徐々に魔法の使い方を学びながら、自らの持って生まれた「スレイ・ベガ」と呼ばれる特殊な性質のポテンシャルとその脆さ、そしてそれ故の寿命の短さを知り、エリアスから学ぶことで自らの命について、生きる、ということについて改めて考えていくこととなる。

魔法使いが人ではない、という設定はある意味斬新で面白かった。
また、主人公であるチセが、日本アニメ特有の自己評価常に最低という正確のヒロインではあるが、ここではそれに至る設定がきちんと生きているので、妙な不自然さはない。ただ、やはり見ていると痛々しいし、辛いものがあるところも多々。
はじめ超越的な存在感を持っていたエリアスが、次第に自らをも制御できない子供のような、というか嵐のような存在でもあるというのが徐々に見えてくる、という展開もよかった。それによって互いの得手不得手を補い合いながら二人三脚していく、という余地が生まれる。また、こういう回復・成長ものにはお約束の徐々に増えていく理解者・仲間、という存在についても丁寧に描かれていてよかった。
世界観がかっちり作り上げられているので、ご都合主義にならず、それなりの筋を通した物語になっているというのは安心して見れて良い。

原作未完で、どうやら学園編的なものへと進んでいるようであるが、アニメは非常にいいところできれいに終わっているので、これはこれで特に続編なくてもいいかなという満足感がある(あったら見るけど)。
このテレビアニメ化の前に2016年にはオリジナルストーリーでOVA化されており、それもなかなかよかった。

途中すこし中だるみしたところもあったが、後半に行くに従って盛り返してきて最後は一気に見れた。また少し時間をおいて見返したい作品の一つだ。

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